Vプロセス鋳造法


 Vプロセス鋳造法とは、吸引力によって減圧して鋳物砂を造形し、鋳造、冷却後、鋳物砂を大気圧に戻すことによって型ばらしを行う鋳造法である。

以下にその工程をご説明します。

  • 尚、Vプロセス鋳造法には下記の特徴があります。
  • 1.大型鋳物の製作および少数生産が可能。
  • 2.粒度を調整した細かな砂を型に用いるため原型を精密に再現できる。
  • 3.鋳型の表面はフィルムなのでよりきめ細かな鋳肌が得られる。
  • 4.フィルムにより溶解した金属のまわりが良く薄肉の鋳物が得られる。

Vプロセス工程図


吸引ボックスの上に模型を取り付ける。模型には吸引ボックスに達する多数のフィルム吸着用小孔があけられている。







伸び率が大きく且つ塑性変形率の高いプラスチックの薄いフィルムをヒーター(ガスバーナー)により加熱軟化させる。









加熱軟化したフィルムを模型表面に覆い、吸引ボックスを減圧すると、フィルムは模型面に吸着される。






フィルムを吸着した模型に、フィルターパイプを内部に備えた金枠をセットし、粒度調整された乾燥砂を微振動を加えながら充填する。








上面をならし、フィルムで覆って枠内を減圧すると、フィルムを介して外圧が砂に作用し鋳型は硬化する。模型の吸引ボックスに外気を導入してフィルムの吸着を解いた後、離型すると模型上のフィルムは枠順に移りシールドされた鋳型(下図)が完成する。







上記と同様の工程で造られた上型(湯口等を付けたもの)と下型を枠合わせし減圧状態で注湯する。










大気圧に戻すと、砂は流動状態に戻り落下する。製品の砂落ちはすばらしくよく後処理も容易である。砂は冷却して、そのまま再利用する。